◆すべての働く女性が当事者になる映画賞、第3回開催の結果を発表!
子供を育てながら働ける映像業界を目指し、業界全体の労働環境の改善に取り組む特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会(swfi https://swfi-jp.org/)では、すべての働く女性(性自認が女性の方)が当事者となって作りあげる映画賞、
第3回「観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~」
を開催しました。
昨年までは映像業界で働く女性のみを対象にしていたこの映画賞ですが、今年はすべての働く女性を対象として開催しました。
その結果、今回は367名の方から投票を頂きました!
投票してくださった方、情報周知にご協力くださった方、ありがとうございました。
集計結果をここに発表いたします!
第1位&映像業界部門賞 「52ヘルツのクジラたち」
監督:成島出
原作:町田そのこ
脚本:龍居由佳里
制作:アークエンタテインメント
配給:ギャガ
製作:「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
公式サイト:https://gaga.ne.jp/52hz-movie/
STORY:
「この<52ヘルツのクジラ>の鳴き声は、あまりに高音で、他のクジラたちには聴こえない。だから、世界で一番孤独なクジラって言われてるんだー」
傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へと移り住んできた貴瑚は、虐待され、声を出せなくなった「ムシ」と呼ばれる少年と出会う。かつて自分も、家族に虐待され、搾取されてきた彼女は、少年を見過ごすことが出来ず、一緒に暮らし始める。やがて、夢も未来もなかった少年に、たった一つの“願い”が芽生える。その願いをかなえることを決心した貴瑚は、自身の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた、今はもう会えない安吾とのかけがえのない日々に想いを馳せ、あの時、聴けなかった声を聴くために、もう一度 立ち上がる──。
©2023 「52ヘルツのクジラたち」製作委員会
第2位「あんのこと」
監督・脚本:入江悠
製作:製作:木下グループ 鈍牛倶楽部
制作プロダクション:コギトワークス
配給:キノフィルムズ
公式サイト:https://annokoto.jp/
STORY:
21歳の主人公・杏は、幼い頃から母親に暴力を振るわれ、十代半ばから売春を強いられて、過酷な人生を送ってきた。ある日、覚醒剤使用容疑で取り調べを受けた彼女は、多々羅という変わった刑事と出会う。
大人を信用したことのない杏だが、なんの見返りも求めず就職を支援し、ありのままを受け入れてくれる多々羅に、次第に心を開いていく。
週刊誌記者の桐野は、「多々羅が薬物更生者の自助グループを私物化し、参加者の女性に関係を強いている」というリークを得て、慎重に取材を進めていた。ちょうどその頃、新型コロナウイルスが出現。杏がやっと手にした居場所や人とのつながりは、あっという間に失われてしまう。行く手を閉ざされ、孤立して苦しむ杏。そんなある朝、身を寄せていたシェルターの隣人から思いがけない頼みごとをされる──。
©2023『あんのこと』製作委員会
第3位「ナミビアの砂漠」
監督・脚本:山中瑶子
制作プロダクション:ブリッジヘッド コギトワークス
企画製作・配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/namibia-movie/
STORY:
世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。
優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?
©2024『ナミビアの砂漠』製作委員会
———————————————————————————————————–
以上3作品が、総合上位3作品となります!
そして、映像業界で働いている方のみの回答を集計した「映像業界部門賞」1位も、総合1位と同じく、「52ヘルツのクジラたち」となりました。
今年もまた、女性が選んだことが感じられる結果になったかと思います。
投票してくださった方々、ありがとうございました!
◆更に詳しい投票結果や各種資料はこちらから閲覧、ダウンロードできます。
■投票結果報告書
・別紙資料「MME賞2025_【総合】Q5,20票以下作品リスト.pdf」
・別紙資料「MME賞2025_【映像部門】Q5,10票以下作品リスト.pdf」
■質問票
・質問票内 別紙資料「MME賞2025質問票用作品リスト01.pdf」
■プレスリリース
本調査結果を引用・転載頂く場合は、 info@swfi-jp.orgまで掲載報告をお願いいたします。
また、必ず下記のクレジット表記をお願いします。(文字数が多すぎる場合はご相談ください)
NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
第3回「観たいのに観れなかった映画賞」
関連リンク:第3回「観たいのに観れなかった映画賞」投票開始のお知らせ
◆開催趣旨「すべての働く女性が映画館に足を運ぶきっかけにつながる映画賞」
MME賞は、当初、映画業界で働くキャスト・スタッフの多くが感じている、「映画が好きで映像業界に入ったのに、撮影や子育てが忙しく映画を観に行く時間がない」という皮肉な現状をあえて楽しめる映画賞にしてしまい、映像業界外の方にも知ってもらいたいという気持ちで立ち上がりました。
映画業界で働いていても、メインスタッフ、メインキャストでないと映画賞や映画祭に当事者意識を持てずにいる人が多いのです。「観たいのに観れなかった映画」に投票する映画賞ならば、そういった人たちでも当事者になれる。そしてジェンダーバランス調査によると、受賞者や審査員の女性比率が低いので、ならば最初から女性だけで作り上げよう!と、映像業界で働く女性で作る映画賞として開催してきました。
MME賞はただ投票するだけではなく、労働環境の改善や、映画館に行く機会を増やすことに繋げたい、という思いで、投票時に「どういった環境であれば映画館に行けたか」という質問に答えてもらいそれを可視化することに取り組んでいます。
興行収益がもっと向上し潤えば、映画制作の現場も潤い、私たちが本来目指す、「子育てしながら働ける映像業界」という目標に近づくことができるという思いからです。
2年開催してきた中で、「映画館と距離ができているのは映画業界の女性だけではない」というお声をいただいたことと、投票数がもっと多くなれば、興行側にも説得力のあるデータを提示でき、興行収益の向上や現場の労働環境改善が早く進むのでは、という思いのもと、今回から業種に関わらず「すべての働く女性」に対象を広げて開催することとしました。
映像業界で働く女性たちの投票の部門賞は残しつつ、あらゆる業種で働く女性たちが「映画館で観たいのに観れなかった」映画はなんだったのか、どういった環境であれば映画館に行くことができたのか、様々な女性達の『観れない』事情や思いを知る事で今後の映画界がより良いものに変わるように、調査を兼ねた映画賞として開催いたしました。
この映画賞を開催することが、少しずつ意識や環境の改善に繋がるように、具体的には、まずすべての働く女性が、1年に1回は映画館で映画を楽しんでいただける環境作りを目指します。
さらに、働く女性が観たい映画を何本でも映画館で観れるような労働環境へと変わる未来を目指して、この『観たいのに観れなかった映画賞』 がなくなることを目標としています。
(観たいのに劇場に観に行けなかった悔しさを表すため、協議の結果「ら」ぬき言葉である「観れなかった」を使用しています。)
◆観たいのに観れなかった映画賞概要
映画賞主催団体:NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
映画賞タイトル:観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~
投票資格:すべての働く女性(性自認女性の方)。年齢問わず。
投票手法:インターネット投票(Googleフォーム)
2024年1月1日〜12月31日に公開された日本映画(実写・アニメーション)から「劇場で観たかったのに観れなかった映画」を選択して投票(複数回答可)
投票期間:2025年1月24日~2月14日
設問数:全12問 回答時間平均6〜9分
回答数:367名(無効票8票)
SNSハッシュタグ:#MME賞 #MME賞2025 #働く女性で作る映画賞