◆映像業界で働く女性が当事者になる映画賞、第2回開催の結果を発表!
子供を育てながら働ける映像業界を目指し、業界全体の労働環境の改善に取り組む特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会(swfi https://swfi-jp.org/)では、映画、ドラマ、TV番組全般に携わる仕事をしている性自認が女性の方が当事者となって作りあげる映画賞、
第2回「観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~」
を開催し、昨年と同様、62名の方からの投票を頂きました。
投票してくださった方、情報周知にご協力くださった方、ありがとうございました。
集計結果をここに発表いたします!
第1位 「市子」
監督・原作:戸田彬弘
脚本:上村奈帆、戸田彬弘
制作:basil
制作協力:チーズfilm
製作幹事・配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/ichiko-movie/index.html
STORY:
誰の目にも幸せに見えた彼女は、忽然と姿を消したー。
川辺市子(杉咲 花)は、3年間一緒に暮らしてきた恋人の長谷川義則(若葉竜也)からプロポーズを受けた翌日に、突然失踪。途⽅に暮れる⻑⾕川の元に訪れたのは、市⼦を捜しているという刑事・後藤(宇野祥平)。後藤は、⻑⾕川の⽬の前に市子の写真を差し出し「この女性は誰なのでしょうか。」と尋ねる。市子の行方を追って、昔の友人や幼馴染、高校時代の同級生…と、これまで彼女と関わりがあった人々から証言を得ていく長谷川は、かつての市子が違う名前を名乗っていたことを知る。そんな中、長谷川は部屋で一枚の写真を発見し、その裏に書かれた住所を訪ねることに。捜索を続けるうちに長谷川は、彼女が生きてきた壮絶な過去と真実を知ることになる。
(C)2023 映画「市子」製作委員会
第2位「福田村事件」
監督:森達也
脚本:佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦
配給:太秦
製作プロダクション:ドッグシュガー
製作:「福田村事件」プロジェクト
公式サイト:https://www.fukudamura1923.jp/
STORY:
大正デモクラシーの喧騒の裏で、マスコミは、政府の失政を隠すようにこぞって「…いずれは社会主義者か鮮人か、はたまた不逞の輩の仕業か」と世論を煽り、市民の不安と恐怖は徐々に高まっていた。
そんな中、朝鮮で日本軍による虐殺事件を目撃した澤田智一(井浦新)は、妻の静子(田中麗奈)を連れ、智一が教師をしていた日本統治下の京城を離れ、故郷の福田村に帰ってきた。同じ頃、沼部新助(永山瑛太)率いる薬売りの行商団は、関東地方へ向かうため四国の讃岐を出発する。
長閑な日々を打ち破るかのように、9月1日、空前絶後の揺れが関東地方を襲った。木々は倒れ、家は倒壊し、そして大火災が発生して無辜なる多くの人々が命を失った。そんな中でいつしか流言飛語が飛び交い、瞬く間にそれは関東近縁の町や村に伝わっていった。2日には東京府下に戒厳令が施行され、3日には神奈川に、4日には福田村がある千葉にも拡大され、多くの人々は大混乱に陥った。福田村にも避難民から「朝鮮人が集団で襲ってくる」「朝鮮人が略奪や放火をした」との情報がもたらされ、疑心暗鬼に陥り、人々は恐怖に浮足立つ。
地元の新聞社は、情報の真偽を確かめるために躍起となるが、その実体は杳としてつかめないでいた。震災後の混乱に乗じて、亀戸署では、社会主義者への弾圧が、秘かに行われていた。
そして9月6日、偶然と不安、恐怖が折り重なり、後に歴史に葬られることとなる大事件が起きる―。
(C)「福田村事件」プロジェクト2023
第3位「怪物」
監督:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
製作:東宝 フジテレビジョン ギャガ AOI Pro. 分福
配給:東宝 ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/
STORY:
「怪物」探しの果てに、私たちは何を見るのかー
大きな湖のある郊外の町。
息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。
それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。
そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した―。
©2023「怪物」製作委員会
以上3作品が、上位3位までの入賞となりました。
女性が選んだことが感じられる結果になったかと思います。
投票してくださった方々、ありがとうございました!
◆更に詳しい投票結果や各種資料はこちらから閲覧、ダウンロードできます。
※投票結果報告書、質問票、別紙資料に修正があり、4月3日23:30に改訂をアップロードしています。
お手数ですが、結果を引用して頂く場合は[0403改訂]とついたファイルのデータをご使用ください。
■投票結果報告書
■質問票
・質問票内 別紙資料[0403改訂]swfi_MME賞_Q3全作品リスト
■プレスリリース
本調査結果を引用・転載頂く場合は、 info@swfi-jp.orgまで掲載報告をお願いいたします。
また、必ず下記のクレジット表記をお願いします。(文字数が多すぎる場合はご相談ください)
NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
第2回「観たいのに観れなかった映画賞」
◆映画賞開催の背景
毎年、国外問わずさまざまな映画祭、映画賞が開催されますが、映画やドラマの制作に携わる人にとっては、日々の業務で忙しく、当事者意識を持っていない場合が多い現状があります。映画が好きで、映像業界に入ったのに、そういった楽しみであるはずの映画祭、映画賞を当事者として関わることができない。また、昨今の映画賞の受賞者や審査員のジェンダーバランス調査では、女性の割合が少ないと指摘されていたりしますが、そういった調査結果について、そもそも調査自体について、現場の最前線にいる女性スタッフ、キャストへは情報が行き届かない現状があります。
そこで、swfiでは日々の業務で忙しく、劇場に映画を観に行く時間がない、性自認が女性の方たちが当事者になれる映画賞として、「観たいのに観れなかった映画賞」を企画しました。
この映画賞は、「映画やテレビ等、映像制作に携わる仕事をしている女性が当事者になれる、楽しめる映画賞を作りたい」という思いで、今までなかった「映像業界で働く当事者たちで作り上げる映画賞」として昨年より開催しています。
映画が好きで業界に入ったのに、休みもなく映画をみに行く時間、気力もない、という状況に陥っているのは、健全なことなのか?という疑問を改めて一人一人に考えてもらうきっかけになれば、そしてその意識が、一人一人の労働環境の改善につながればと考えます。
この映画賞を開催することが、少しずつ意識や環境の改善に繋がり、映像業界で働く人が、観たい映画を何本でも映画館で観られるような労働環境へと変わる未来を目指して、この『観たいのに観れなかった映画賞』がなくなることを目標としています。
(観たいのに劇場に観に行けなかった悔しさを表すため、協議の結果「ら」ぬき言葉である「観れなかった」を使用しています。)
◆観たいのに観れなかった映画賞概要
映画賞主催団体:NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
映画賞タイトル:観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~
投票資格:映画、ドラマ、TV番組全般(現場、仕上げ、配給、宣伝等すべて)に携わる仕事をしている性自認が女性の方(スタッフ、出演者含む)。年齢問わず。
投票手法:インターネット投票(Googleフォーム)
2023年1月1日〜12月31日に公開された日本映画(実写・アニメーション)から「劇場で観たかったのに観れなかった映画」を選択して投票(複数回答可)
投票期間:2024年2月7日~2月21日
設問数:全8問 回答時間平均4〜7分
回答数:62名
SNSハッシュタグ:#MME賞 #MME賞2024 #映像業界で働く女性で作る映画賞