◆映像業界で働く女性が当事者になる映画賞、第1回の結果を発表!
子供を育てながら働ける映像業界を目指し、業界全体の労働環境の改善に取り組む特定非営利活動法人映画業界で働く女性を守る会(swfi https://swfi-jp.org/)では、映画、ドラマ、TV番組全般に携わる仕事をしている性自認が女性の方が当事者となって作りあげる映画賞、
第1回「観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~」
を開催し、62名の方からの投票を頂きました。
投票してくださった方、情報周知にご協力くださった方、ありがとうございました。
集計結果をここに発表いたします!
第1位 「PLAN 75」
監督・脚本:早川千絵
脚本協力:Jason Gray
製作会社:ハピネットファントム・スタジオ ローデッド・フィルムズ 鈍牛俱楽部 WOWOW Urban Factory Fusee
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/plan75/
STORY:
少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度<プラン75>が国会で可決・施行された。夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。
果たして、<プラン75>に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。
第2位「さかなのこ」
監督・脚本:沖田修一
脚本:前田司郎
制作会社:東京テアトル ジャンゴフィルム
配給:東京テアトル
公式サイト:https://sakananoko.jp/
STORY:
ふつうのことがちょっと苦手な主人公・ミー坊の、”オンリーワン”ストーリー
お魚が大好きな小学生・ミー坊は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、信じて応援し続ける母親に背中を押されながらミー坊はのびのびと大きくなった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、まるで何かの主人公のようにいつの間にかみんなの中心にいたが、卒業後は、お魚の仕事をしたくてもなかなかうまくいかず悩んでいた…。そんな時もお魚への「好き」を貫き続けるミー坊は、たくさんの出会いと優しさに導かれ、ミー坊だけの道へ飛び込んでゆくーー。
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
第3位(同率2作品)
「こちらあみ子」
監督・脚本:森井勇佑
原作:今村夏子(ちくま文庫)
音楽:青葉市子
製作会社:ハーベストフィルム エイゾーラボ
配給:アークエンタテインメント
公式サイト:https://kochira-amiko.com/
STORY:
たのしいこともさびしいこともー
あみ子が教えてくれるのは、
私たちが“かつて見ていたはずの世界”
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、
書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。
だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。
奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく物語。
「ケイコ 目を澄ませて」
監督・脚本:三宅唱
製作会社:ザフール
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/keiko-movie/
STORY:
不安と勇気は背中あわせ。震える足で前に進む、彼女の瞳に映るもの――。
嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下 町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続 ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まってい く。
「一度、お休みしたいです」と書きとめた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖される ことを知り、ケイコの心が動き出す――。
©2022 映画「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS
以上4作品が、上位3位までの入賞となりました。
女性が選んだことが感じられる結果になったかと思います。
投票してくださった方々、ありがとうございました!
◆更に詳しい投票結果や各種資料はこちらから閲覧、ダウンロードできます。
■投票結果報告書
■質問票
・質問票内 別紙資料swfi_MME賞_Q3全作品リスト
■プレスリリース
本調査結果を引用・転載頂く場合は、 info@swfi-jp.orgまで掲載報告をお願いいたします。
また、必ず下記のクレジット表記をお願いします。(文字数が多すぎる場合はご相談ください)
NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
「第1回観たいのに観れなかった映画賞」
◆映画賞開催の背景
毎年、国外問わずさまざまな映画祭、映画賞が開催されますが、映画やドラマの制作に携わる人にとっては、日々の業務で忙しく、当事者意識を持っていない場合が多い現状があります。映画が好きで、映像業界に入ったのに、そういった楽しみであるはずの映画祭、映画賞を当事者として関わることができない。この映画賞は、「映画やテレビ等、映像制作に携わる仕事をしている女性が当事者になれる、楽しめる映画賞を作りたい」という思いで、今までなかった「映像業界で働く当事者たちで作り上げる映画賞」として企画しました。
また、昨今の映画賞の受賞者や審査員のジェンダーバランス調査では、女性の割合が少ないと指摘されていたりしますが、そういった調査結果について、そもそも調査自体について、現場の最前線にいる女性スタッフ、キャストへは情報が行き届かない現状があります。
そこで、swfiでは日々の業務で忙しく、劇場に映画を観に行く時間がない女性たちが当事者になれる映画賞として、「観たいのに観れなかった映画賞」を開催いたしました。
映画が好きで業界に入ったのに、休みもなく映画をみに行く時間、気力もない、という状況に陥っているのは、健全なことなのか?という疑問を改めて一人一人に考えてもらうきっかけになれば、そしてその意識が、一人一人の労働環境の改善につながればと考えます。
この映画賞を開催することが、少しずつ意識や環境の改善に繋がり、映像業界で働く人が、観たい映画を何本でも映画館で観れるような労働環境へと変わる未来を目指して、この『観たいのに観れなかった映画賞』がなくなることを目標としています。
(観たいのに劇場に観に行けなかった悔しさを表すため、協議の結果「ら」ぬき言葉である「観れなかった」を使用しています。)
◆観たいのに観れなかった映画賞概要
映画賞主催団体:NPO法人映画業界で働く女性を守る会(swfi)
映画賞タイトル:観たいのに観れなかった映画賞~いやぁ、時間がなくて~
投票資格:映画、ドラマ、TV番組全般(現場、仕上げ、配給、宣伝等すべて)に携わる仕事をしている性自認が女性の方(スタッフ、出演者含む)。年齢問わず。
投票手法:インターネット投票(Googleフォーム)
2022年1月1日〜12月31日に公開された日本映画(実写・アニメーション)から「劇場で観たかったのに観れなかった映画」を選択して投票(複数回答可)
投票期間:2023年2月4日~2月19日
設問数:全6問 回答時間平均3~6分
回答数:62名
SNSハッシュタグ:#MME賞 #映像業界で働く女性で作る映画賞